漁業の現状

日本の漁業の現状

日本人の魚離れなどと言われ始めて久しくなります。実際にはどうなのでしょう。

日本の一人当たりの年間魚消費量、つまりは魚を食べている量は、2009年現在で56.6㎏と世界第6位。しかし、人口100万人を超える主要先進国の中では、依然第1位と言えます。世界平均と比べると、約3.5倍も魚を食べています。一方で2000年以降日本人の魚を食べる量が急速に下落していることも事実です。特に、若い人々にその傾向が大きく見られます。2015年には、一人当たりの消費量が48.3㎏まで下がりました。

でも、日本が魚消費大国であることには、依然変わりがありません。漁業は変わらず栄えているかと思いきや、日本の漁業は衰退の危機に瀕しています。1960年代には、日本は全く魚を輸入していませんでした。1964年の魚の自給率は113%‼(輸入が全くなく、輸出が上回っている状態)。

しかし、1970年代からは、魚の消費量が増えていくと共に国内生産量も上がっていきながら、同時に輸入も増えていきました。そしてとうとう、2015年では魚の自給率は約59%、つまり全消費量に対する輸入の割合が41%にまで高まっています。私たち日本人は、国内で漁獲される魚だけでは足らず、その同じほどの量を輸入して食べているのです。巷間言われているように、魚離れのせいで漁業が衰退しているというのは一面的な見方です。

では、なぜ輸入に依存するのでしょうか。

本来、漁業は狩猟採取なので、計画的に常に同じものを同じ量で揃えることはできません。1億数千万人の日本人がいつも望んだ魚を口にするには、産地をより広く確保することが不可欠でした。そのため、経済成長と共に国内漁獲量も伸びていたにもかかわらず、輸入量と割合も増加し続けたのです。

加えて、国内生産地では「獲れば獲るだけ売れる」という現象によって、巻き網漁船などによる一網打尽の乱獲が進み、その海域の稚魚までも獲り尽くしてしまいました。

日本人自身の乱獲が、資源を枯渇させたと言えます。国内の産地が力を失ういっぽう、魚の消費量は2000年頃まで伸び続け、必然的に輸入の割合が増えていきました。現在では、消費量は低下したものの、国内漁獲量の低下が上回っており、輸入量、割合共に減る傾向にはありません。

行き過ぎた競争によって根こそぎ乱獲したために魚が獲れなくなり、そのために漁業者一人当たりの生産高が著しく下がり、そして漁業に夢が無くなって後継者がいなくなっている…この負のスパイラルによって滅びつつあるのが、日本の漁業の実態です。

作り育てる漁業=養殖に世界が注目

漁業が滅びの危機から抜け出す鍵は、漁業を狩猟採取から農業のような生産に変える「養殖」にあると言われてきました。国も積極的に、作り育てる漁業と名付けて養殖を推奨しています。

魚を獲って減らすこともなく、計画性もある。そんな養殖が普及すれば、課題は一挙解決!いや、そもそも既に日本は養殖先進国ではないか?と思われるかもしれません。しかし、日本の養殖業も深刻な問題を抱えているのです。

なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか?

日本の養殖業はコストがかかりすぎ、漁業者が利益を得にくいと言われています。その中でも、餌の価格が非常に高く、経営を圧迫しています。

養殖魚の餌の成分の大半を占めるのは、同じ魚を粉にした「魚粉」と呼ばれるもの。原料となる魚はマイワシですが、日本近海ではかつて400万tあったマイワシの漁獲が乱獲により10万tにまで減少していて、魚粉の原料に使用するものは完全に輸入に頼らざるを得ません。

そのために、日本の飼料メーカーで製造販売される餌は割高(250円/kg前後)です。餌は魚が育つためにずっと欠かせないものですから、チリも積もれば山となり、経営を大きく圧迫するわけです。

また、技術的に養殖が成功している魚は、実はそう多くありません。その中でも、卵から成魚まで育てる養殖(完全養殖)となると、かなり限られてきます。よく食べられる魚では、タイ、フグ、ヒラメ、エビ、ウニなど。養殖魚としてなじみ深いブリ(ハマチ)も、実は稚魚を海から獲ってきて育てる畜養です。一方、日本人が好んで食べる魚は世界一多様であると言われています。マーケットに対して、養殖が成功している魚が少ないのが現実。それが、日本の養殖業の成長の伸びを遅くしています。

私たちが愛するサバも、養殖がたいへん困難な魚のひとつ。完全養殖は、私たちクラウド漁業の技術顧問である青海忠久福井県立大学名誉教授が日本で初めて成功させました。しかし、事業としては九州大学の唐津Qサバだけが本格出荷されています(JR西日本のお嬢サバが来春本格出荷予定)。 サバは、マグロなどと同じ回遊魚。その生態もよくわかっていません。また、猛スピードで泳ぎ回るために、養殖生簀にこすれたり衝突したりして弱ってしまうこともあります。大衆魚の王さまと呼ばれながら、人間が育てるのがとても難しい魚なのです。

漁業者が減っていく背景

乱獲の末の資源の枯渇、その突破口だったはずの養殖経営の困難さによって、漁業は年々稼げない産業になっています。普通に考えると、そのような現状では未来に希望は見いだせず、後を継ごうとする若者たちが現れるはずもありません。

しかし、実際には人生と情熱を賭けて漁業に取り組む若者も、年配者もいます。特に、漁業が主な産業にならざるを得ない離島地域では、漁師の割合が他の地域より高く、実は漁業生産高も沿岸地域を上回ります。私たちは、そこに大きな可能性を感じています。



日本全国の離島の現状

離島の人口比では、高齢者比率が33%と、全国の過疎地域の中でも突出した高さを見せています。しかし、近年では離島の様々な魅力が注目され、大都市からの若い世代のIターンも増えつつあります。離島で最も大きな魅力を持つ産業は、やはり漁業ではないか…というのが、私たちの考えです。

離島という小さな陸地は、四方を海に囲まれています。しかも、工業によって破壊されていない自然の海。そこには、未だ豊富な海洋資源があります。

そこに、私たちは着目しました。そして、島根県隠岐郡(隠岐の島)の海士町との連携を進めています。

株式会社クラウド漁業  Crowd Fishery Co., Ltd.
株式会社クラウド漁業  Crowd Fishery Co., Ltd.
本社所在地
〒561-0834 大阪府豊中市庄内栄町4-21-40
℡06-6335-2204 Fax06-6335-2220
E-mail yokoyama@torosaba.com
電話番号
06-6335-2204
主たる業務
(1) 水産増養殖技術の研究開発・事業化
(2) 水産増養殖プラットフォーム創造
(3) 地方創生プロデュース
(4) 飲食店業態開発・運営
(5) 漁業版SPA(製造小売業)形態の創造
取締役・顧問
【取締役】
代表取締役 右田孝宣

【従業員】
役員(代表含む)3名 従業員1名

【創業】
2017年7月7日
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